シグマクシスという社名を耳にしたことはあるでしょうか。2008年に誕生したこの企業は、日本のビジネス変革を支える重要な役割を担っています。単なるアドバイザーではなく、クライアント企業と共に汗をかき、成果を生み出すパートナーとして活動しています。
東証プライム市場に上場し、年間売上高100億円を超える規模まで成長したシグマクシス。その独自のビジネスモデルと組織文化について、詳しく見ていきましょう。
生成AI研究ラボを立ち上げるなど時代に合わせたコンサルティングを提供する姿勢が魅力的なシグマクシス!今回は名前は知ってるけど詳しくは知らないって方が意外と多い、実は色んな魅力のあるシグマクシスについて紹介していきます。
シグマクシスとは?会社概要と企業理念

シグマクシスがどんな会社なのか、まずは基本情報から見ていきましょう。
株式会社シグマクシス・ホールディングスの基本情報
株式会社シグマクシス・ホールディングスは、2008年5月に三菱商事とRHJインターナショナルの共同出資により設立されたコンサルティングファームです。本社は東京都港区虎ノ門4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス9Fにあり、資本金は30億円(2024年3月末時点)となっています。
2013年に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、わずか5年でのスピード上場を果たしました。その後、2017年には東証一部(現プライム市場)へ市場変更を実現。
2021年10月には持株会社体制へ移行し、現在は株式会社シグマクシス、株式会社シグマクシス・インベストメント、株式会社SXAの3社が100%子会社として、それぞれコンサルティング、投資、M&Aアドバイザリーの各事業を展開しています。
「Create a Beautiful Tomorrow Together」が示す企業理念
シグマクシスの企業理念について、もう少し掘り下げてみましょう。
シグマクシスが掲げる「Create a Beautiful Tomorrow Together」という理念には、日本が培ってきた社会関係資本の価値観が込められています。人と人との「信頼」、お互いに助け合う「互酬性の規範」、絆で繋がり合う「ネットワーク」という3つの軸を大切にし、美しい社会づくりに貢献することを目指しているようです。
世代やパーソナリティーを超えてお互いに尊重し合い、誰もが快適に暮らし活躍できる社会の実現に向けて、クライアントやパートナーと共に価値を創造していく。まさに「Xpartner(クロスパートナー)」として、リスクをシェアしながら成果実現を目指す姿勢が、この理念に表れています。
シグマクシスの事業内容と強み
次に、シグマクシスがどんなサービスを提供しているのか、その特徴について詳しく見ていきましょう。
3つのトランスフォーメーション領域
シグマクシスは、デジタル経済のもとで企業が直面する変革に対して、3つの重要な領域でサービスを展開しています。
①マネジメント・トランスフォーメーションでは、組織内の自律性と心理的安全性の確保を支援しています。
②デジタル・トランスフォーメーションでは、コアビジネスモデルの変革による生産性革命を推進しています。
③サービス・トランスフォーメーションでは、成長市場での新ビジネスモデルの構築をサポートしています。
これらのトランスフォーメーションを実現するために、ビジネス、デジタル&IT、イノベーション、プロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)など、様々な領域での専門性を活かしたサービスを提供しているのが特徴です。
コンサルティングと投資の融合による価値創造
シグマクシスの大きな強みは、コンサルティング能力だけでなく、投資能力とアライアンス・ネットワーク力を兼ね備えていることです。
単なるアドバイザーではなく、クライアントの「シェルパ」として併走し、時には自ら旗を振って新しい価値を生み出していく。この姿勢が、従来のコンサルティングファームとは一線を画すポイントです。
生成AI研究ラボなど最新の取り組み
2023年5月には、伊藤忠商事と共同で「生成AI研究ラボ」を立ち上げました。
この取り組みでは、生成AIを活用した企業の業務変革や新規ビジネス開発を支援。伊藤忠商事の従業員4200名が利用するAzure Open AIを基盤とした生成AI利用ビジネスチャットの導入を支援し、API連携による使いやすいUIの構築やセキュアな利用環境の実現に貢献しています。
このように、最新テクノロジーを活用した変革支援にも積極的に取り組んでいるのが、シグマクシスの特徴といえるでしょう。
シグマクシスのコンサル事業の特徴
シグマクシスのコンサルティング事業について、もう少し詳しく見ていきましょう。
アグリゲーターとしての役割
シグマクシスは、クライアントがビジネスを進める上で必要なものをすべてそろえる「アグリゲーター」としての役割を重視しています。
社内外の多様な専門家による幅広いサービスと、充実したアライアンス・ネットワークを駆使。従来のようにITコンサルタント、SIer、IS部門などが個別に仕事を進める状況を作らず、チーム全体で価値創造に取り組むビジネススタイルが特徴です。
対応インダストリーとファンクション
シグマクシスが対応している業界は実に幅広いといえます。
食料・飲料、製薬、小売業などの消費財関連から、化学品、電気機器、産業設備などの製造業、さらには銀行、証券、保険といった金融業界まで、あらゆる産業をカバーしています。
ファンクション面では、戦略、FRM(Financial Risk Management)、SCM(Supply Chain Management)、CRM(Customer Relationship Management)、HCM(Human Capital Management)、テクノロジーなど、企業経営に必要な機能を網羅的にサポートしています。
SAPなど主要プラットフォームへの対応力
シグマクシスは、SAPをはじめとする主要なエンタープライズプラットフォームへの対応力も強みの一つです。
大規模なシステム刷新プロジェクトの実績も豊富で、例えば2014年から2017年にかけて実施した日本航空の「SAKURAプロジェクト」では、50年間使われていた旅客系基幹システムの刷新を支援。複数企業が参加するPMOとしての役割を果たすだけでなく、全チームにシグマクシスのコンサルタントが常駐し、2017年の本番稼働を成功に導きました。
シグマクシスへの転職・採用情報
転職を検討している方にとって気になる、シグマクシスの採用情報について詳しくご紹介します。
シグマクシスの年収について
まずは、シグマクシスの年齢ごとの年収推移について見てみましょう。
25歳では推定年収578万円(417万円〜802万円の範囲)、30歳では757万円(545万円〜1050万円の範囲)となっています。さらに35歳では940万円(677万円〜1304万円の範囲)、40歳では1066万円(768万円〜1479万円の範囲)という水準です。
年収には個人差があり、能力や成果、担当プロジェクトによって大きく変動することがわかりますね。コンサルティングファームらしく昇給スピードは速く、30代で年収1,000万円を超える方も多いようです。マネージャー未満では残業代がつくため、プロジェクトによってはコンサルタント時の給与が一時的に多くなる場合もあります。
昇格制度は能力ベースで設計されており、年初に個人の「能力開発計画」を策定。実際のプロジェクトで示した能力を複数の評価者が審査し、年に一度のクラス評価は深夜まで続く白熱した議論を経て決定されます。その結果は全社に公開され、透明性の高い公平な制度となっているようです。
キャリアパスと求められる人物像
キャリアパスは、「コンサルタント→アシスタントマネージャー→マネジャー→プリンシパル→パートナー・ダイレクター」という段階を経て成長していきます。
シグマクシスが求めているのは、社内外の多様な能力を組み合わせてチームを組成し、自ら設定したゴールを達成する「アグリゲーター」人財と、お客様に寄り添いビジョン実現まで併走する「シェルパ」人財。多様性を楽しみ、未知を恐れず、コラボレーションで価値を創造することに喜びを感じる方が活躍できる環境といえるでしょう。
中途採用と未経験からの挑戦
中途採用については、応募する職種での実務経験や関連資格があると歓迎されますが、それ以上に重要なのは、新しいビジネスプロジェクトを企画する力、先見性、リーダーシップなどのコンサルタントとして必要な能力です。
未経験からの挑戦も可能で、特定分野のスキルや実績だけでなく、新しいプロジェクトを立ち上げてマネジメントする能力を持った人材を求めています。
募集要項とインターン情報
新卒採用では、毎年インターンシップを実施しており、実際のコンサルティング業務を体験できる機会を提供しています。
リクナビやマイページから応募可能で、選考プロセスは書類選考、適性検査、複数回の面接を経て内定となります。インターンシップ参加者には本選考での優遇もあるようなので、興味がある方は積極的に参加してみるといいでしょう。
シグマクシスの職場環境と制度
働きやすさについても、しっかりチェックしておきたいですよね。
シグマクシスの働く環境
虎ノ門タワーズオフィスにある本社は、最新の設備が整った快適な職場環境です。
「プロフェッショナル&コラボレーション」というワークスタイルを軸に、徹底した情報のデジタル化、ネットワークの整備、ウェブカンファレンスツールの導入などを通じて柔軟な働き方を実現。個々の社員が最も生産的な状況を自ら選択できるようになっており、効率的な働き方は画一的に定義されるものではないという考えのもと、多様性を尊重した働き方を奨励しています。
充実した育成制度
育成制度も充実しているのがシグマクシスの特徴です。
カフェテリア研修では、様々な研修から自ら選択して参加可能。マネージャー研修では、アシスタントマネージャー昇格時に自身のキャリアパスや将来像について深く考える機会を提供。ナレッジフェアでは、社内のプロフェッショナルが経験や知見を共有し、最新トレンドについて学べます。
さらにプロフェッショナルセッションでは、学術、文化、スポーツなど幅広い分野の第一人者から直接学ぶ機会もあり、視野を広げることができるようです。
育児支援など福利厚生
育児支援制度も手厚く、妊娠休暇や産前産後休暇を有給休暇として付与。出産祝い金は第一子10万円、第二子20万円、第三子はなんと100万円!満3歳までは一子当たり月75,000円の支給もあります。
育児短時間勤務や深夜勤務制限、時間外・休日勤務制限などの時短勤務制度も整備されており、キャリアと出産・育児を両立させやすい環境が整っています。
シグマクシスと他コンサルファームとの比較
最後に、他のコンサルティングファームとの違いについて見ていきましょう。
アクセンチュアなど大手外資系との違い
大手外資系コンサルファームと比較すると、シグマクシスは「未開拓の土地」のような存在だといえます。
歴史が長く、きめ細やかに組織構成された大規模ファームが「区画整理された広大な土地」だとすれば、シグマクシスは常に変化に向かっていく、開拓の余地がある会社。中小規模で、グローバルからの縛りもない日本企業という身軽さゆえのフットワークで、チャレンジできる領域が深く広いのが特徴です。
フラットな組織文化の特徴
ネットで検索をすると社員の声からも、フラットな文化が強く感じられます。
「今やるべき事に、あるべき姿勢で取り組むべし」というシンプルな方針のもと、諸先輩方の行動も判断もブレがなくロジカル。理不尽さがないフラットさが、働きやすさにつながっているようです。
一人で抱え込まず、互いの能力や発想を活用し合える社風で、プロジェクトごとに新しいメンバーと出会い、視野を広げていける環境があるといえるでしょう。
オープンワークでの評価
オープンワークなどの口コミサイトでも、シグマクシスは比較的高い評価を得ています。
特に評価が高いのは、若手でも裁量権を持って仕事ができる点、多様なプロジェクトを経験できる点、そしてワークライフバランスが取りやすい点。一方で、会社の規模がまだ小さいため、大規模プロジェクトの経験を積みたい人には物足りないという声もあるようです。
まとめ
今回の記事のポイントをおさらいしましょう。
・シグマクシスは2008年設立、三菱商事系のコンサルティングファームで、2021年に持株会社体制へ移行
・デジタルトランスフォーメーションを中心に、コンサルティングと投資を融合した独自の価値創造を実現 ・年収水準は高く、透明性の高い評価制度と充実した育成制度で、未経験からでもキャリアアップが可能
・フラットな組織文化と柔軟な働き方、手厚い育児支援制度など、働きやすい環境が整備されている
変革の時代において、クライアントの真のパートナーとして価値を創造し続けるシグマクシス。その独自のポジショニングと成長性は、コンサルティング業界でのキャリアを考える方にとって、魅力的な選択肢となるのではないでしょうか。