マーサージャパンとは、世界最大級の組織・人事コンサルティングファームであるマーサー(Mercer LLC)の日本法人です。
1978年の設立以来、45年以上にわたって日本国内で組織変革や人事制度構築、報酬設計、福利厚生、年金制度、M&Aアドバイザリーなど、人と組織に関わる幅広い領域で専門的なコンサルティングサービスを提供しています。
グローバルネットワークを活かした最先端の知見と、日本企業特有の課題に対する深い理解を兼ね備えた同社は、民間企業から公共団体まで多岐にわたるクライアントの経営課題解決に貢献しています。
近年では人的資本経営やDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)推進といった先進的なテーマにも注力し、組織・人事領域のリーディングカンパニーとして高い評価を得ています。
マーサージャパンとは
まずはマーサージャパンの基本情報から整理していきます。同社がどのような企業なのか、グローバルな位置づけとあわせて理解しておくことが重要です。
マーサージャパンの会社概要
マーサージャパンは、アメリカに本社を置くマーサー社の日本法人として機能しています。マーサー社はマーシュ・マクレナン(Marsh McLennan)グループの一員であり、世界130か国以上に展開する約25,000人規模の巨大な組織・人事コンサルティングファームです。
日本法人であるマーサージャパンは、このグローバルネットワークを最大限に活用しながら、日本企業が抱える固有の人事課題に対応しています。世界各国のベストプラクティスや報酬データベースを参照できる点が大きな強みとなっており、国内外の企業に対して質の高いソリューションを提供できる体制が整っています。フォーチュン500企業にも名を連ねる親会社の安定した基盤があることで、クライアントからの信頼も厚く、長期的なパートナーシップを築きやすい環境にあるといえるでしょう。
マーサージャパンの特徴
マーサージャパンが他の人事コンサルティングファームと一線を画す理由は、その圧倒的な規模と専門性の深さにあります。
世界最大級の組織・人事コンサルティングファームとしての強み
マーサージャパンの最大の特徴は、世界最大規模の報酬データベースと豊富なグローバル知見を活用できる点です。日系企業を中心に620社以上が参加する報酬サーベイを実施しており、このデータは制度設計やベンチマーク分析において高い信頼性を持っています。
加えて、人的資本経営や報酬制度設計、組織変革、福利厚生最適化といった多数の領域をカバーできるフルラインサービス体制を構築している点も見逃せません。
課題解決にとどまらず、企業の成長戦略全体を人事・組織面から支える支援が可能です。このような総合力により、クライアント企業との長期的な関係構築が実現しやすく、リピート率の高さにもつながっているようです。
マーサージャパンの事業領域
マーサージャパンは人と組織に関わるあらゆる課題に対応できる幅広い事業領域を持っています。ここでは主要な3つの領域について解説します。
組織人事コンサルティング
組織人事コンサルティング領域では、組織変革や人事制度構築、グローバル人材マネジメント基盤の構築、M&Aアドバイザリーサービスなどを提供しています。
企業の成長ステージや業界特性に応じた最適な組織設計を提案し、人材戦略の立案から実行支援まで一貫してサポートします。
特に近年注目されている人的資本経営の領域では、情報開示支援やKPI設計、データ分析基盤の構築など、先進的な取り組みを推進しています。企業が持続的に成長するための人材活用の仕組みづくりを、グローバルなベストプラクティスを踏まえながら支援できる点が強みです。
資産運用
資産運用領域では、企業の退職給付制度や年金制度に関わる包括的なコンサルティングを展開しています。確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)の制度設計、リスク管理、投資助言サービスなど、年金数理の専門知識を活かした高度なサポートを提供しています。
投資機会の迅速な把握や運用成果の最適化を目指し、リサーチ情報や投資分析ツール、カスタムメイドの投資ソリューションを組み合わせた提案が可能です。企業の財務戦略と連動した退職給付制度の再構築支援にも強みを持っており、長期的な視点での資産形成をサポートしています。
報酬・福利厚生コンサルティング
報酬・福利厚生コンサルティングでは、企業の競争力強化と従業員満足度向上を両立させる制度設計を支援しています。業界や組織構造、拠点、従業員のニーズに応じてカスタマイズされたソリューションを提案し、報酬体系の見直しや福利厚生プログラムの最適化を行います。
世界最大規模の報酬データベースを活用したベンチマーク分析により、市場競争力のある報酬水準の設定が可能です。またスタートアップ企業向けには専任チームを設け、急成長企業特有の報酬設計課題にも柔軟に対応しています。福利厚生のシンプルな管理方法の提案を通じて、人事部門の業務効率化にも貢献しています。
マーサージャパンの社風とカルチャー
マーサージャパンの社風は、グローバル企業としての開放性と専門性を重視する文化が特徴的です。
ダイバーシティと働きがい
マーサージャパンでは、全ての従業員が個性を活かし、活気ある職場で働けるような強い帰属意識を持った文化の構築に力を入れています。多様な背景や視点、経験を持つ社員間でのアイデア交換を促進し、クライアントへの提供価値向上につなげる取り組みを実践しています。
人々をビジネスの中心に据えるアプローチは同社の理念に深く根ざしており、コンサルタント同士が協力し合う文化が根付いています。月に1度開催されるクロスセルセッションでは、各部門がサービス内容や事例を紹介し合い、知見共有とコラボレーションの機会を創出しています。親切で穏やかな人が多く、安心して仕事に取り組める環境が整っている点も、社員から高く評価されています。
マーサージャパンの制度とキャリア支援
マーサージャパンでは社員の成長を支える充実した制度が整備されています。キャリア開発を重視する企業文化が根付いており、長期的な視点での人材育成に注力しています。
昇格制度
マーサージャパンでは、グローバルに統一されたキャリアレベルを設けています。アソシエイトから始まり、アソシエイトコンサルタント、コンサルタント、シニアコンサルタント、プリンシパル、パートナーまでの明確なキャリアパスが用意されており、スキルや経験に応じてステップアップしていく仕組みです。
評価制度については、会社全体および各部門の目標達成と個人の成長を重視しており、四半期ごとに上司とのレビューを通じてパフォーマンスの達成度合いや進捗を確認します。
「Invest in Best People」の方針のもと、成果を出した社員が適切に評価される仕組みが整っています。特徴的なのは明確な3段階評価を導入している点で、「期待以上」「期待通り」「期待未満」といった区分に応じて昇給や賞与に直結する総合評価が行われます。
育成制度
マーサージャパンの育成制度は、オンラインや対面式のセミナー、コース、資格取得プログラム、トレーニングセッションなど多岐にわたります。部門やレベルに合わせた様々なトレーニングにより、コンサルタントとしてのスキルアップや個人のデベロップメント、リーダーシップを体系的に学ぶ機会が豊富に用意されています。
新入社員には一人ひとりにコーチがアサインされ、仕事の進め方などを丁寧に指導してくれる仕組みが整っています。またジュニアレベルの社員がメンターを選ぶことができ、仕事のノウハウやキャリアゴールに向けた取り組みをサポートしてもらえる環境があります。資格取得や検定試験に挑戦する従業員に対しては、授業料補助や勉強のための日を承認するなどの支援も行われており、プロフェッショナルとしての成長を全面的にバックアップしています。
キャリア開発支援
マーサージャパンでは、短期・長期的に海外オフィスで働くチャンスがあり、グローバルモビリティ制度も整備されています。海外オフィスへの転勤制度を活用することで、国際的な経験を積みながらキャリアの幅を広げることが可能です。
キャリアパスの設計においては、各レベルで求められる役割が明確に定義されています。アソシエイト・アソシエイトコンサルタントレベルではプロフェッショナルとしての基礎を固め、マネージャー・シニアマネージャーレベルではプロジェクトマネジメントスキルを習得し、プリンシパル・パートナーレベルではThought Leadershipを発揮する段階へと進んでいきます。こうした段階的な成長プロセスが明示されていることで、自身のキャリアを長期的に描きやすい環境が整っています。
年収・福利厚生・働き方
マーサージャパンの待遇面について、年収水準や福利厚生、働き方の特徴を見ていきます。
報酬水準の目安
マーサージャパンの平均年収は約950万円と、外資系人事コンサルティングファームの中でも高水準に位置しています。職種や役職によって年収は大きく異なり、コンサルタント(中途3〜5年目)クラスで600〜800万円程度、シニアアソシエイトでは約1,000万円前後が想定されます。
新卒入社時の年収は業界水準を踏まえると500〜600万円程度と考えられ、基本給に加えて賞与やパフォーマンス評価が反映されることで年収総額は上振れする可能性があります。成果主義・役割貢献主義を基本とする外資系ファームならではの報酬設計により、経験と実績を積めば年収が着実に伸びる構造となっています。
柔軟なワークスタイル
マーサージャパンではフレックスタイム制度を導入しており、プロジェクトのボリュームや海外との時差に合わせて就業時間を調整して働くことが可能です。Mobile勤務制度もあり、自宅などオフィス外から働くこともできます。
月間平均残業時間は約39.8時間で、他のコンサルティングファームと比較してもやや短めの水準です。有給消化率は64.9%と高く、メリハリのある働き方を実現できる環境が整っています。プロジェクトの状況により一時的に忙しくなる時期はありますが、全体としてワークライフバランスを重視する文化が根付いているといえるでしょう。
福利厚生制度
福利厚生面では、各種社会保険や団体加入保険(生命保険、傷害保険、GLTD等)、退職金制度が用意されています。休暇制度も充実しており、土日祝日・年末年始に加えて年次有給休暇、慶弔休暇、育児・介護休業、ボランティア休暇などが設けられています。
育児・介護に関わるサポート制度として、ベビーシッター制度や家族旅行補助の導入も確認されており、ライフステージが変化しても働き続けやすい環境作りに取り組んでいます。
またオフィスにはリラックススペースが用意され、コーヒーやお茶を自由に楽しめるなど、日々の業務の合間にリフレッシュできる配慮もなされているようです。
マーサージャパンの採用・選考情報
マーサージャパンへの転職を検討する際に押さえておくべき採用・選考に関する情報をまとめます。
求める人物像
マーサージャパンが求める人物像は、単にスキルが高いだけではなく、クライアントの成功に真摯に向き合える姿勢を持つ人材です。論理的思考能力やコミュニケーション能力といったコンサルタントとしてのベーススキルは必須ですが、それに加えてダイバーシティを尊重し、異なる価値観と協働できる柔軟性も重視されています。
人を経営資源として数字で理解することと、個人としての社員の気持ちや感覚を十分に想像すること、この2つをバランスよく考え、それを楽しめる人材が求められています。また変化の激しい環境でも前向きに対応できるレジリエンス(精神的耐性)や、複雑な課題に対する構造的なアプローチ力、クライアントに寄り添う傾聴力・提案力など、多面的な力が必要です。
選考プロセス
マーサージャパンの選考プロセスは、書類選考→適性検査→複数回の面接という流れで進みます。キャリアセミナー(会社説明会)を年に複数回実施するなど中途採用に力を入れており、通年で採用活動を行っています。
面接では、自己紹介や職務経歴に加えて、「なぜ転職するのか」「なぜコンサルなのか」「なぜマーサージャパンなのか」という3点について深掘質問がされます。自身の転職理由・志望動機とこれまでのキャリア、マーサージャパンに入社して何がしたいのかという中長期的な将来像、そして自分のスキルや経験がマーサージャパンでどう活かせるのか、一貫性を持って答える必要があります。ケーススタディ形式の面接や英語でのディスカッションが課されることもあり、十分な準備が求められるといえるでしょう。
新卒・中途採用の違い
新卒採用では、東京大学や京都大学、一橋大学、早慶などの上位校を中心に、論理的思考力や高い英語力を備えた学生が多く採用されています。海外大学・MBA出身者も一定数見受けられ、人事コンサルティングという領域の専門性とグローバル志向を考慮した採用基準が設けられています。
中途採用では、人事経験者やコンサル経験者が優遇される傾向にありますが、採用状況によっては若手優秀層のポテンシャル採用も実施されています。実際に人事・コンサル未経験の20代でも転職成功事例があり、メーカーや金融、IT、弁護士、官公庁など様々なバックグラウンドの方がコンサル未経験から転職しています。
転職先としてのメリット・デメリット
マーサージャパンへの転職を検討する際には、メリットとデメリットの両面を理解しておくことが重要です。
キャリア形成の魅力
マーサージャパンでキャリアを築く最大のメリットは、プロのスキルとノウハウを身につけられる環境が整っている点です。世界最大規模の報酬データベースやグローバルなベストプラクティスにアクセスでき、多種多様かつチャレンジングな案件に参画できる機会が豊富にあります。
組織・人事領域のプロフェッショナルとして確実に成長できる環境があり、クライアントと一体となってプロジェクトを進める過程で、実務レベルでの専門性を高めることが可能です。また海外オフィスで働くチャンスもあり、グローバルなキャリアを描きたい方にとっては理想的な環境といえるでしょう。育成制度や評価制度も充実しており、成果を出せば適切に報酬に反映される仕組みが整っています。
外資系特有の課題
一方でデメリットとしては、コストの発生が挙げられます。外資系コンサルティングファームとして高い報酬が得られる反面、成果が求められるプレッシャーも相応にあります。特にプロジェクトの繁忙期には業務量が増える可能性があり、柔軟な働き方が可能とはいえ、時期によっては多忙になることは覚悟しておく必要があります。
またコミュニケーションの手間も考慮すべき点です。クライアントに意図を正確に伝えるためには、詳細なディレクションや参考資料の準備が必要であり、認識のズレがあると修正回数が増えて時間とコストがかかることもあります。さらに全てを外注的に進めるのではなく、社内でのナレッジ共有や組織貢献も評価対象となるため、単に個人の成果だけでなくチームへの貢献も求められます。
競合他社との比較
マーサージャパンの立ち位置を理解するために、競合他社との違いを見ていきます。
Big4・戦略ファームとの違い
Big4(デロイト、PwC、EY、KPMG)や戦略ファーム(BCG、ベイン、マッキンゼー等)と比較すると、マーサージャパンは人事・組織領域に特化している点が最大の違いです。Big4は監査やIT、税務など幅広い領域を扱い、戦略ファームは経営戦略全般をカバーしますが、マーサージャパンは人事領域において世界最大規模の専門性とデータベースを持っています。
報酬水準については、戦略ファームと比較すると若干低めですが、人事コンサルティングファームの中では高水準を維持しています。またワークライフバランスの面では、戦略ファームよりも柔軟な働き方が実現しやすい環境が整っています。専門領域を深く極めたい方にとっては、マーサージャパンは魅力的な選択肢といえるでしょう。
他の人事コンサルとの比較
同じく人事・組織領域に強みを持つコーン・フェリー・ジャパンやウィリス・タワーズワトソンと比較すると、マーサージャパンの平均年収は約950万円で、コーン・フェリー(約1,064万円)やウィリス・タワーズワトソン(約1,100万円)と比べてわずかに下回る印象があるかもしれません。
しかしマーサージャパンも役職が上がるにつれて1,000万円を超える事例は多く、コンサルタント層からシニア層へと進む過程で年収は十分に競合他社と肩を並べる水準に達します。またマーサージャパンは年収面だけでなく、ワークライフバランスや制度面の整備にも力を入れており、単に高年収で終わらないキャリアの充実が期待できる点が特徴です。
マーサージャパン転職の成功ポイント
マーサージャパンへの転職を成功させるために押さえておくべきポイントを解説します。
事前準備と情報収集
マーサージャパンへの転職で最も重要なのは、徹底した事前準備と情報収集です。まずはコンサルティング業界全体について理解を深め、その中でマーサージャパンがどのような位置づけにあるのかを把握しましょう。同社の事業領域や強み、企業文化、求める人物像について詳しく調べることが不可欠です。
自己分析も欠かせません。これまでのキャリアを振り返り、「どんな課題に向き合い、どのように成果を出してきたか」「なぜ人事・組織コンサルを志すのか」「なぜマーサージャパンなのか」を明確に言語化しておく必要があります。志望動機に自分の価値観と同社の提供価値との共通点を含めれば、説得力のあるアピールにつながります。
転職エージェントの活用法
マーサージャパンのような外資系・専門性の高い企業を目指す場合、転職エージェントのサポートは非常に有効です。特に人事コンサル領域に特化したエージェントは、非公開求人の紹介や企業ごとの面接傾向の情報提供、職務経歴書の添削など、総合的に支援してくれます。
エージェントを活用する際のポイントは、自分の希望や経験を正直に伝えることです。キャリアの方向性や年収の希望、働き方の条件などを明確にすることで、より適切な求人紹介やアドバイスを受けられます。また複数のエージェントに登録し、それぞれの強みを活かして情報収集することも効果的です。面接対策では、想定問答集を作成したり模擬面接を受けるなど、プロの力を借りることで選考突破率を高めることができます。
まとめ
マーサージャパンはどんな人に向いているか
本記事ではマーサージャパンについて詳しく解説してきました。今回の結論としては、世界最大級の人事コンサルティングファームとしての専門性と、グローバルネットワークを活かした包括的な支援体制が同社の最大の強みであり、組織・人事領域でキャリアを築きたい方にとって魅力的な選択肢だといえます。
マーサージャパンは、人を数字で理解する論理的思考力と、個人の感情をくみ取るコミュニケーション能力の両方をバランスよく持ち、それを楽しめる人に向いています。またダイバーシティを尊重し、異なる価値観と協働できる柔軟性を持つ方、変化の激しい環境でも前向きに対応できるレジリエンスを備えた方にとって、成長できる環境が整っています。
年収水準は外資系人事コンサルの中でも高く、平均年収は約950万円、役職が上がれば1,000万円を超えることも十分に可能です。ワークライフバランスにも配慮されており、月間平均残業時間は約39.8時間、有給消化率は64.9%と、メリハリのある働き方が実現できます。充実した育成制度と明確なキャリアパスがあり、長期的な視点でプロフェッショナルとして成長したい方に最適です。
こうした課題を解決するために、私たち株式会社CYANdでは広告運用から戦略立案、クリエイティブ改善まで一気通貫で支援しています。実際の現場で培った知見を活かしたサービスを提供しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。